皆さんハイガー産業ってご存じですか?雪国には欠かせない自動除雪機などを扱う渋い会社なのですが、今回はそのハイガー産業、実はデジタルマーケティングやコマース周りがめちゃめちゃ充実していた…!という話です。
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目次
- ハイガー産業って?
- その① 自社ECとモールの使い分けがすごい
- その② メディアの運用がすごい
- その③ 口コミの仕掛けがすごい
- その④ 経営がすごい
ハイガー産業って?
2月。東京ではやっと暖かさを感じられる日も増えてきましたが、同じ日本でもところ変わればまだまだ冬模様。わいわいワイドの男性担当・岡田の住む冬の金沢は、雪とのお付き合いが必須の地域です。そんな積雪地帯で大活躍するのが電動除雪機。ただこの電動除雪機、お値段も性能もピンキリで、意外とたくさん種類があるのです。
お値段的に手が出て、かつユーザーの口コミも多く、型の選択肢が多いものはないか…と探した結果、辿り着いたのがハイガー産業(以下、ハイガー)の電動除雪機でした。
※ハイガーは除雪機以外にもトレーニング機器や産業機械、園芸農具等を扱うブランドです。
実際購入したのはこのモデル。ドイツのPOWERWORKS社の輸入品で、ハイガーは独占代理店のようです。
このハイガー、調べれば調べるほどすごい会社だったので、何がどうすごいのかを、今日はたっぷり紹介していきたいと思います。
その① 自社ECとモールの使い分けがすごい
まず、自社ECとモールどちらでも販売していて、自社公式はかっこよすぎず落ち着きすぎずで丁度良いB2B感です。年末セールなど、時期によって動的にプライシングも変更しているようなので、”動いているEC” 感がしっかり感じられました。
モールは楽天、Yahoo!、Amazon、au PAY マーケットなど主要どころには押しなべて出品していますが、最もSKU数が多く、セット割引の割引率が高いのは自社公式になるように ”あえて” 設定している模様。例えばニーズの高そうな型番は自社ECにしか売っていなくて、検索等でおのずと自社ECに誘導されるようなイメージです。
決して安くない値段なので、ユーザーが吟味して調べれば調べるほど結果的に自社ECが得になるように作られているという構造…モールと自社ECを一貫して運用している担当者さんがいそうな匂いがしますね。
ただ、それでもポイントがたまったり決済が楽だったりの関係でモールを使いたい人もいるはずなので、その人たちが損した気分にならないようなメリットも残す設計がされていて、楽天ではRakuten Shop of the monthを獲得していたりと、かなりバランスよく運用されているようでした。
その② メディアの運用がすごい
今やどのビジネスにおいてもSNS運用は必須の時代…とはいえ、ハイガーのすごいところは、Twitter、Instagram、Facebook、LINE、YouTubeと主要どころはすべて網羅しているところ。
それぞれのメディアの特性もしっかり踏まえていて、製品的に動画の方が使いやすいものは動画を活用しています。ディスクリプションもしっかり書かれていて、YouTube SEO対策もなされているという周到さ。
Instagramにおいても動画はリール向けに短尺にするなど工夫されているし、Instagramショッピングもしっかり設定されています。LINEのコメントや返信もほぼパーフェクトで、カスタマーサクセスにSNSを取り入れる事も実践されています。
広告ではショッピング広告に出稿しているので、検索すればAmazonより上位に表示される状態で、価格イメージもつきやすいですね。
その③ 口コミの仕掛けがすごい
ECにおいては口コミも重要な要素。ハイガーの場合、例えば除雪機だと口コミを投稿すれば3か月の延長保証が付きます。これ、何気に理にかなっているのです。どういう事かというと…除雪機は通常、降雪シーズンの前か最中に買うので、通常の1年保証だと翌年の冬にいざ使う時には保証切れになっている可能性があり、ユーザーからしてみたら若干不安なのです。
口コミを投稿することで1シーズン延長保証されるわけなので、ポジティブな感情で口コミ記入へ誘導しているというからくりが非常にうまい…。また、安易に値引きをせずに口コミを増やすという意味でも賢い方法だと思います。
ちなみに延長保証は自社ECでの購入ならではの特典であり、結果的に利益率を上げる事に繋がっている点もすごいなと。
その④ 経営がすごい
ハイガーは2009年創業の比較的若い会社ですが、扱う商品は産業機械や農業機会、ガーデニング、トレーニング機器と骨太な印象のものばかりを自社で企画開発、製造、販売まで一気通貫で商っています。さぞやマッチョな社長さんがやってらっしゃるのであろう…と思って調べると、なんと代表取締役は板橋さんという女性の方でした。しかも会社の所在地は群馬県邑楽町。なぜこの場所で?どういう経緯で…?どうしてこのジャンルの商材を……??謎は深まるばかりです。
ちなみに代表あいさつには以下の文が記されています。
創業当初は、DtoC企業としてEC領域でのトップシェアを確立することは、私たちハイガー産業にとって非常に大きなチャレンジでした。
https://www.haigeshop.net/html/company.html
この一文を見てもわかる通り、最初から代理店抜きの直販でやることを想定していたようですし、ECに注力する方針だったからこその、現在の姿なのでしょう。
他にも、倉庫業や委託コンサルなどもやっているようで、幅広く事業を展開している様子。ますます気になるぞ、ハイガー。
いつかは板橋氏をわいわいワイドにお呼びして、謎多きハイガーの真相に迫ってみたい!出演してもらえる程度にはリスナーさんを増やさねば…と、心を新たにした岡田と井谷なのでした。
今後も、こういったすごい会社やすごいECを見つけ次第、リサーチしてお届けできればと思います!