皆さんこんばんは。今日のテーマは「動画短し 増やせよお金」ということで、ショート動画についてです。2022年はショート動画元年と言っても良いような年でした。今日は各プラットフォームのショート動画まわりの動きと、今後の注目点について見ていきたいと思います。
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目次
- 時代はショート動画
- ショート動画はマネタイズが難しい
- YouTube
- 広告ではないショート動画のカタチ
- 2023年はショート動画飛躍の年
時代はショート動画
ショート動画とは、短尺、縦長で、スワイプして見ていくという形式の動画で、スマートフォンとの親和性が非常に高いです。
2022年以前、ショート動画と言えばTikTokが主流でしたが、2022年に入ってInstagram Reels(Meta)、YouTube Shorts(Google)、Amazon Inspire(Amazon)など、各社ショート動画サービスを展開してきています。
SNSではタイムラインを上回り、YouTubeにおいても、ショート動画は2022年の第三四半期の時点で300億回/日以上の視聴回数をたたき出すなど、動画の形式として主流になってきています。
配信する側としても、既存動画の切抜きや他プラットフォームからの転用がしやすいなど、取り回しが良い点が量産化の一助になっていると思われます。
ショート動画はマネタイズが難しい
ユーザーの視聴メインがショート動画に向かう一方で、プラットフォーム側は、マネタイズの面において、この流れを少し複雑な心境で受け止めているのではないかと考えられます。
プラットフォームは基本的に広告でマネタイズしていますが、これまで広告はSNSならばタイムラインに広告投稿が挟まれていたり固定の広告枠が存在したり、YouTubeのような動画サービスではインストリーム広告、アウトストリーム広告、レコメンド枠、マストヘッド広告であったり、動画視聴に対してCMのような形で広告が挟まる形式が主でした。
ショート動画の場合、バナーやレコメンド枠がなく、短尺なのでインストリーム広告も使いづらく、これまでと同様の広告形式では視聴体験を損ねることになります。
メディアとしてトップシェアを維持するにはショート動画への対応は必須だが、ショート動画の表示シェアが増えればマネタイズの方針転換をせざるを得ない…というジレンマがあるのが現状で、以下のように各社試行錯誤しているのが伺えます。
YouTube
- プレミアムを強化し、広告依存からの脱却を模索
- 2022年9月にパートナープログラムを改定、2023年からは従来からある1,000人のチャンネル登録者に加え、90日間で1,000万回のショート視聴を達成した場合でも収益化資格を付与すると発表
- クリエイターへの配分を強化
- リール終了後に4~10秒後にスキップ可能な形で掲出されるポストループ広告や、リール下部に表示されるカルーセル広告のパイロットテストを開始
広告ではないショート動画のカタチ
各社ショート動画との付き合い方が模索される中、2022年12月にAmazonがモバイルアプリ内で閲覧する”ショッピングフィード”として「アマゾンInspire」の提供を米国で開始しました。
ユーザーが設定した興味・関心によってパーソナライズされた画像や動画をスクロールして閲覧できるというもので、画像や動画は商品を紹介するものなので、興味を持ったら数タップでその商品の価格や概要を表示し、Amazon内で購入まで完結させられるというものです。
Amazonの場合、他のSNS等と異なりユーザーは購買を目的に来訪しているため、当然CVRは高くなると予想されますし、自分ではなく商品を全面に出した動画構成になることから、顔出ししたくないインフルエンサーの参入も増えるでしょう。
クリエイターにはAmazonアソシエイトと似た仕組みでレベニューシェアされると思われるので、今後Inspireに特化したインフルエンサーも増えていくと思われます。Amazonがこのあたりをどのように設計するかで、口コミの活性化が変わってきそうです。
2022年は個人のクリエイティビティを作品や権利を通じてマネタイズしていくのがクリエイターエコノミーのわかりやすい例でしたが、今後はInspireの登場により既にあるコマースマーケットに対して、クリエイター要素をインストールする形になるので、コマース界隈においてはこちらの方が汎用性は高そうです。
▼Amazon Inspireについて触れた回はこちら(25分あたりから)▼
2023年はショート動画飛躍の年
2022年は各社のショート動画の台頭が目覚ましい年でしたが、2023年はいよいよ群雄割拠のショート動画界隈が飛躍する年になりそうです。
- YouTubeショートを本格的にマネタイズし始めるYouTube(Google)
- リールへの継続投資により活路を見出したいInstagram(meta)
- 政治リスクを抱えながらも常に台風の目であり続けるTikTok
- イーロンマスク氏の介入でダークホース的な展開もありうるTwitter
- コマースフィードでSNSに奪われたエンゲージメントをInspireで取り戻すAmazon
役者は揃った!ということで、確実に伸びるであろうショート動画を各社がいかにマネタイズしていくのか、に注目する年になりそうです。