ひとり出版社を応援したい話(2/3) 〜書店とEコマース

皆さんこんばんは。前回に引き続き、昨今増えてきている”ひとり出版社”とコマースの話です。前編では、そもそも出版社の現状はどうなっているのかという部分と、ひとり出版社が増えてきている理由についてお話しました。今回はひとり出版社とEコマースの関係についてです。

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目次

  1. ひとり出版社と自社EC
  2. 本の世界観を他の商材に横展開する

ひとり出版社と自社EC

前編では、ひとり出版社の流通を後押しする存在として「一冊!取引所」という受発注プラットフォームを紹介しました。これまでFAXや電話で受発注をしていた出版業界(書店業界)からすると、Webでポチっと仕入れられるというのは画期的な存在です。かつ、直販であれば(出版社によっては)クレジットカード決済ができるというのも非常に便利です。もっと普及すればいいのに~!と願ってやみません。

(NHK出版が12月から受発注開始したり河出書房新社のような老舗も2月からクレカ決済に参入するなどの動きがあり、今後普及が加速しそうな感はあります)

一冊!取引所

流通面でもひとり出版社を運営しやすくする素地が整いだしてきていると思いますが、マネタイズの面でひとり出版社を強力に後押ししている存在が「ECサイト構築サービス」ではないかと思います。

昨今、ShopifyやSTORESなど様々なECサイト構築サービスが台頭してきていて、また一般消費者にも比較的認知されてきていると感じます。これらを使うことで、出版社がD2Cで消費者に本を売ることができるようになりました。

そのメリットとして、もちろん中間業者を介さないことによる中間マージンが発生しないというのもありますが、他には「本だけを売らなくてもよくなる」という点が非常に大きいのではないかと思うのです。


本の世界観を他の商材に横展開する

本だけを売らない…つまりグッズ展開や他商材への横展開を指します。ひとり出版社は扱う本のテーマやポリシーが明確な事が多く、その場合刊行される書籍や著者というよりも出版社自体にファンがつきやすくなります。

例えば、以下の「BLUEMOMENT」さん。女子大生起業家が立ち上げたということで話題になった出版社さんです。

書籍も出していますが、その世界観をそのままにしたネイルポリッシュやトワレも展開しています。

ここまで大々的に横展開せずとも、企業ロゴや書籍の装丁をデザインしたトートバッグなんかは結構色々な出版社がやっている気がします。

書店のECサイトでは、本は置いてもらえても、こうした横展グッズまで取り扱ってもらうのは大手でなければ難しかった。立ち上げたばかりで名の知れぬひとり出版社ならなおさら難しいでしょう。

ただ今は、自身でECサイトを簡単に構築できる時代なので、自社サイトでなら簡単に販売できるわけです。少人数出版社の場合、年間で出版できる点数は限られているので、グッズの展開で横に広げていくというのは、ファンやユーザーとの接点を途切れさせないという意味でも重要なのではないかと思います。

次回(後編)では、面白い試みをしているひとり出版社をいくつか紹介したいと思います。3回に渡って長々とお話してしまいましたが…次で最後ですので、どうぞお付き合いください!