Google マーチャントセンターはなぜスゴいのか?(後編)

前編では、Google マーチャントセンターに至るまでのGoogleとショッピング検索の歴史、また、なぜこれまでのサービスでは失敗し、マーチャントセンターで成功したのかについて紹介してきました。後編では、マーチャントセンターの何かすごいのか、マーチャントセンターだからできるようになったことと、EC運用者は実際どう活用すれば良いのかについて、お話していきたいと思います!

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目次

  1. マーチャントセンターだからできるようになったこと
  2. マーチャントセンターはデファクト化している
  3. EC運用者ができることは?

マーチャントセンターだからできるようになったこと

アップロード式(マーチャントセンター)では、クロール型ではできなかった以下のことができるようになりました。

  1.  審査
  2.  名寄せ
  3.  更新
  4.  比較
  5.  評価

これらは、情報の鮮度や精度を保つ、ひいては信頼を保つ上で必須のもの。でもクローリング方式だと、データが構造化されていないから比較もできなきゃ審査もできない状態だったんですね。

鮮度と精度の問題をクリアできれば、あとは世界中の商品を登録してもらえるようにインセンティブを強化するだけ。つまりショッピングのユーザーが増え、そこに広告が出せるようになれば良い。そのため、最初はブレンド検索の強化から始まり、動的リターゲティングや動画連動、直近ではレンズ連動にまで横展開されてきています。これも、データが構造化されているから成せる技です。

2020年には登録自体も無料化され、広告を使わなくてもマーチャントセンターに登録できるようになりました。


マーチャントセンターはデファクト化している

登場後数年で一気にEC集客(モール以外)の主役に躍り出たGoogleショッピング。これまでショッピング広告を運用する際には何万ものキーワードをマネージしていましたが、現在ではマーチャントセンターに登録してGoogle 広告と連携するだけでプロダクトデータから広告が生成されるようになりました。

これだと画像も価格も間違わないので、運用者の工数が減って精度も上がりますし、広告表現やターゲティングではなく、商品情報を整理することで集客が良くなるというサイクルに変わりました。

また、運用者の方ならばご存知かもしれませんが、CriteoやMicrosoftはGoogleのデータベーススキーマと全く同じ構造をしています。これは広告主の手間が減りことに加え、インポートやAPI連携もしやすくしているのです。こうしたデータベースのデファクトをつかんだことで、ECがオンラインで行うあらゆる施策のスタートラインにGoogleが立てていると言え、これは購買データを持たないGoogleにとっては非常に大きい事です。
(購買データが欲しければ、Shopifyなどの購買データを持つプレイヤーと連携すれば良いだけだから)

2020年以降、Googleはほとんどのコマースプラットフォームと提携していますが、それはデータが構造化されていて、商品情報のデファクトになっているからです。

コマースプラットフォームはECシステムである以上、必ず構造化データを持っているので、Google側からすれば中間処理さえすれば連携は容易いです。ここで得た購買データを使えば、モールのようなビジネスモデルのプレイヤーではなくとも、連携により集客から購買までを一気通貫に見通すことができるのです。


EC運用者ができることは?

さて、前編後編にわたってGoogleマーチャントセンターができるまでのGoogleさんの飽くなき挑戦の歴史と、何がスゴイんかということを滔々と語ってきました。「Googleすげーなー」という感想なのですが、実際にECを運用する担当者や企業は、このGoogleすげーなーを通して、自社の売上UPに活かせることはあるのでしょうか?

それは、やはりGoogleマーチャントセンターを使おう、ということに尽きると思います。前述のようにデファクト化しているため、マーチャントセンターを整備しておけばいくらでも他ツールに横展開できますし、何より2020年以降は無料で登録できます。

もちろん、広告枠よりは露出しづらくはありますが、やっておいて損はなし。ぜひ、マーチャントセンターを活用していきましょう(自分にも言い聞かせてます!)。