前回エピソード13でトラックの配送費用の話をしましたが、井谷がデコトラ好きなのもあって、もう一回トラックの話を引きずります笑。今回はトラック業界のECですごく頑張っていらっしゃる「貨物堂」さんにフィーチャーしたいと思います。エピソード8で紹介した「ハイガー産業」とテーマ的には似ているかもです。
最後にはニッチ業界にかこつけて、面白いニッチ雑誌の紹介もありますので、ぜひ最後までお見逃しなく!
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トラックパーツはどこに売っている?
それこそトラックドライバーや物流系の方でない限り、一般人が普段あまり考える機会のないトラックパーツ。どこで売られているのかというと、インターネット上ではそれこそモノタロウのようなサイトから、オートバックスのようなカー用品店が運営するECサイトで販売されています。
ただし、これらのサイトはトラック専門店ではないので、トラック用品の品ぞろえとしては痒い所にまで手が届くわけではないようです(デコトラ好きの知人談)。
そのため、全国にトラック用品専門店というものがあり、それらの実店舗を持つ店が並行してウェブ上でECサイトを運営しているパターンも見受けられました。
トラック用品のECサイトいろいろ
そもそもトラック用品を求めるユーザーの数が限られるため、それを扱うEC事業者の数も、他業界と比較すると少ないかと思います。競合が少ないということもあってか、ファーストビューにバナーがゴテゴテ設置されていたり、更新が止まっていたりしているサイトもあるなど、比較的まったり運営モードのサイトが多いように感じました。
そんな中で、今回注目した貨物堂さんは業界標準に甘んじずにアップデートや新しいものを取り入れるスピリッツを感じたECサイトです。
貨物堂さんは、岡山県にあるトラック用品・物流用品のお店で、倉敷市と広島県三原市に2店舗、実店舗を構えています。1986年創業で、従業員数は13名とのこと。(こちらを参照)
■貨物堂さんECサイト
ハイガー産業さんを取り上げた時に「自社ECと他社サービス(楽天ショップ、Amazon等)との使い分けの話がありました。貨物堂さんもYahooショッピング、楽天などにも出品されていますが、自店舗で買うとポイントがたまったり、自店舗限定&曜日限定のセールを行うなど自店舗で買うメリットを訴求して他社サービスと自社ECとの使い分けをしっかりと意識されているようです。
さらに、リアル店舗とEC店舗の差別化を行うため、土日は店舗での購入限定でポイント5倍キャンペーンを実施していたり、ポイント制度をうまく活用した実店舗への来店促進も行っています。
SNSもしっかり運用されていて、YouTube、LINE、Facebook、Instagram、Twitterといった主要どころは当然網羅。さらに、同一担当者が複数SNSを運用しているとSNSごとの特性を考えずに全部同一内容の投稿を行うって結構あるあるかなと思うのですが、貨物堂さんはしっかり使い分けています(担当者がお一人なのかどうか知りませんが…)。
まずLINE公式アカウントは、セール情報などのリアルタイム訴求系や、LINEビジネスアカウントの機能である「クーポン機能」を活用する場として利用。友だち登録でノベルティ(エコバッグ)がもらえます。
(なぜトートバッグなのか?は、Podcastで談話する中で「長距離トラックの運ちゃんってSAのシャワールームとかスーパー銭湯とかよく使うから、バスグッズを入れるためでは!?」という話に帰着しました。正解は何なのか気になります…!)
YouTubeはYouTubeショートをしっかり活用していて、縦型動画を多々投稿しています。特にエアーホーン等の音を聴き分ける系、電飾等の光の具合がわかるものを投稿していて、動画との親和性を考えた投稿内容です。
Instagramはというと、こちらも動画(リール)を活用していて、どちらかというとブツではなくデコトラの夜の様子など映えを狙えるものを中心に投稿していて、動画の中でも出し分けがされている様子。
Instagramではデコトラ関連の映え写真が自社のハッシュタグに集まるように、ハッシュタグ推奨も実施している。
今回、トラックECサイトを色々と調べている中で他のECサイトも色々見ましたが、コンテンツSEOを実施しているのは私が見る限りでは貨物堂さんだけでした。記事内容は、「サンバイザーのおすすめ商品」みたいな商品まとめ記事から、トラックに関する法律や、「仮眠するときに違反しない駐車場所」のような、ドライバー向けTIPS記事までさまざまでした。
貨物堂さんは直近、チャットツールも導入されています(2023年6月現在)。チャットでできることとしては、質問のほか在庫状況や納期の確認、購入後のアフターフォローに利用されているようです。チャットツールも、トラックECまわりでは同社以外見かけませんでした。
ニッチ市場でも先進的なものを取り入れていくという姿勢を応援したい
今回紹介したことは、競合ひしめく業界では「もうやってるよ~」ということかもしれませんが、競合他社が他に誰もこういったことをやっていない市場において、かつおそらくECやマーケティングの専任者がいないであろう環境で、WebマーケティングやECで活用できそうなことをどんどん吸収して実践されていらっしゃるという姿勢がすごいと思うし、応援したい!と素直に思います。
(おまけ)ニッチ雑誌をちょっと紹介
ニッチ業界のECの話をしたので、井谷が出会った個人的にパンチが効いていると思ったニッチ系雑誌を紹介します。
毎号、ド迫力のデコトラが飾る表紙と、このベタベタなフォントとかに興奮します…!出てくるモデルさんがみんな若干やんちゃしてそうな美女ぞろいなのも、トラック野郎の心をとらえて離さない。
昔、坊主バーに行ったときに偶然出会ってしまった雑誌。連載「盆踊り全国漫遊記」みたいなキャッチ―なのから、「ネットを生かしたお寺参りを導入した志」みたいな実務や運営に直結しそうな話題まで。見出しを見てるだけで面白い。
消防士が知りたい消火や救助のノウハウから、車両情報までを幅広くカバー!マッチョ好きも見ていて楽しいかもしれません。