アンドロイドは電子商取引の夢を見るか?

皆さんこんばんは。今日のテーマは「アンドロイドは電子商取引の夢を見るか?」です。 どこかで見かけたことのあるタイトルのもじりですが(笑)、ここで言うアンドロイドとは、GoogleのスマートフォンOSのAndroidのこと。

検索エンジンだけでなくSNSも含めて、いろいろなプレイヤーがコマースを試行錯誤している中、今回Androidを取り上げたのは、ずばり「やはり基盤となるOSを持っているプレイヤーが、結局コマースいおいても強い」から。今日はそんなお話です。

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デマンド・サプライ両軸に強いGoogle

どんなに膨大なユーザー数を持つアプリケーションであっても、ブラウザであっても、結局はOSに乗っかる形になるので、シームレスに作用させるためには当然基盤を持っているプレイヤーが強いという話になります。

大手プラットフォームの中でOSを押さえているのはGoogle、Apple、Microsoftの3社ですが、検索エンジンやYouTubeなどでユーザーが能動的に情報をインプットし、広告等でアウトプットするという意味では、デマンドとサプライの両軸をもっとも強力に押さえているのはGoogleではないかと思います。

Googleはコマースとしての独自の出口を持っていないため決済の面では弱い印象があったものの、それも他のプラットフォーマーと連携してしまえば(Googleで購入)、自分がコマースの中心部にいなくともECに結びつけることができます。またGoogleはYouTubeや検索などあらゆる面がコマースの入口になりうるという点でも非常に強力。これまでマネタイズの中心は広告事業でしたが、どんどん決済事業に振ってきている点からも、Googleの決済事業への力の入れ方がうかがえます。

カメラ連動で現実が電子商取引の場に

さまざまなアプリでシェアを持つGoogleですが、その中でもカメラ連動(Googleレンズ)が超強力。Googleレンズを使えば、インターネットの外側、つまり世界全体がコマースのフィールドになってしまいます。

日々ユーザーがアップする画像のデータを種にしてGoogleのAIは日夜学習しており、AIの精度をもって写真に写る商品がラベリングされ、コマース連動しているショップで売り物として紹介される、という仕組みが既に現実のものとなっています。

もちろん基本的には情報探索手段なのでコマースは機能の一部ではありますが、なぜこんなに便利なものが無料で使えるのかと言えば、この膨大な写真データが広告としてビジネスになりえるからです。

こうしたことが実現できるのは、10年以上の積み重ねを持つGoogleマーチャントセンターという世界最大級の商品データベースと、それを写真や行動情報と結びつけるための機械学習のレベルがどんどん洗練されてきているからです。Androidが電子商取引の夢を見ているか?と聞かれれば、もうすでに電子商取引がリアルの世界を侵食する世界は夢ではなく、白昼夢を見ているレベルまで来ていると言えます。

こうしたカメラ連動の技術をショッピングに活用する動きは、GoogleだけでなくInstagramやPintarestなどほかのプレイヤーでも見られます。

現実側が自動でインターネットにつながることはない

しかし一方で、現実で売っているからインターネット側にも勝手に掲載できるかというと、そうではありません。そこは一方通行なのです。アップされた画像が何かをAIが判別することはできても、それがどこで、いくらで買えるのかは、インターネット側に商品データベースがなければ当然わかりません。

なので我々がやるべきは、今後も強力であり続けるであろうOSを押さえているプラットフォームの動きを注視し、自身のビジネスにどう活用できるか日々ハックしていくこと。その一つが、前述したGoogleマーチャントセンターをしっかりと活用することでもあります。

※Googleマーチャントセンターはデータの粒度が最も細かいため、これをベースに商品データベースを作っておけばいかようにも横展開できます。

Eコマースの世界が広がり続ける白昼夢のような状況は、もう現実に到来しています。「知らぬ、やらぬ」で気が付いたら現実世界に置いてけぼりにならないように、できること・小さなことから始めていきたいですね!